屋根工事
【コラム】屋根工事を見ていて
地上でも35度を超えるまさしく灼熱の日に
日差しを遮るもの何一つない屋根で黙々と作業する屋根職人。
屋根の瓦の表面温度はまさしく卵焼きが作れるぐらいに相当な温度となっている。
屋根職人に問えば仕事とはこういうもんだと一蹴されてしまうかもしれないが
彼らは果たすべき責任だけを考えている。
雨を流し風に飛ばされぬよう1枚1枚と屋根を葺いてゆく。
美しい屋根なみは彼らの弛まない地味ながらも仕事の心意気が表れているのだ。
寡黙な職人の仕事は多くのものを守っている。
【interview】
(有)里園瓦工業
社長 里園 清さん (84歳)
原点に帰る時代。
私の出身の日置は、伝統的に日置瓦という粘土瓦の生産地で、私自身も若い頃は瓦を作っていました。戦後の高度成長期になるとセメント瓦が入ってきて、瓦製造業者も随分減りましたが、耐久性と断熱性、通気性など優れた粘土瓦を見直してほしい。良い瓦を載せるには、土台になる家が良い家じゃないと、良い屋根を作ることができない。だから、私は構造計算を含めた設計も勉強しました。
長年の経験から、安さだけを追求する最近の家づくりには疑問を感じています。大事なのは、まず技術。そして、歴史的な感覚が必要です。法隆寺は、どんな地震が来ても残っている。木が持つしなやかさが建物を守ったわけです。日本列島は地震が多いから、ダメなものはなくなる。そういう歴史的感覚を学ばないといけない。そろそろホンマモンの時代に返らないといけない。
我が国には、あふれるように山がある。手入れがよければ商品価値が高い木が育ちます。先人がそうして良い木を残して来ました。この先、自分の国は自分で守るという姿勢を持ってほしいと思います。その点、新山さんたちの職人集団は、木に対する姿勢が真摯で素晴らしいと思います。
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